🌿 森で調合している人の、ちょっとした遠出
森を出る日。 大きな冒険じゃない。 納品だったり、仕入れだったり、 少し遠くの街へ行くだけ。 それでも、森を離れると 空気の密度が違う。 音が多くて、 光が強くて、 人の流れが早い。 だから私は、小さなディフューザーを鞄に入れる。 森は持って行けないけれど、 香りなら、連れていける。 🌿 旅用ディフューズ ( 100ml ・宿用) ・フランキンセンス 2 ・ヒノキ 1 ・ラベンダー 2 ・オレンジ 1 合計 6 滴 強く整えない。 ただ、呼吸を下に戻す。 知らない天井の下で、 森の気配を少しだけ作る。 納品先で手渡すときは、 魔法をかけるわけじゃない。 「お待たせしました」 それだけ。 納品先で香りの話を聞かれることはあっても、 それ以上は語らない。 森の話は、必要なときだけ。 帰り道、 見知らぬ街の空を見上げる。 森とは違う色だけど、 悪くない。 夜、宿でディフューザーをつける。 空気がやわらかくなる。 「森は動かない」 でも、 香りは持ち歩ける。 Luno 「森は場所じゃないのよ。」 モリノト 「持ち帰れるものも、ある。」 今回は、大事件じゃない。 森で調合している人の、 ちょっとした遠出の話。 明日は、森に帰る。